2011 | 11 16 |
相手の心を無意識に引き出す、最強トーク術
昨日はえなみんズ トーク・スタジオを御覧の皆様、ご視聴ありがとうございました。
恐らく今までの中で、最も笑いのあった放送だったのではないでしょうか。
これ、ちょっと意識しました。
番組放送内でも言いましたが、笑いの中で生まれた物事は充実感を持つんです。
今日はそこらへんを。
今回意識した、ある事
今回に限らずですが、UST放送をするにあたって気をつけている事があります。会話の仕方、コミュの仕方というべき部分です。
過去放送なども見れば参考になると思いますので、是非。
私は専門家ではないので、イマイチ技術的には微妙なのですが。
褒める事、同意する事、側面を顕わにする事、負ける事。
この四つは意識的に行っています。
人によってコミュのとり方は違いますが、少なくともUST内での私のコミュはこれです。
また今回はこの中に、笑わせる事、を追加してみました。チャレンジです。
アーカイブを見て、再度調整してみようとは思いますが。
これらをざっくりではありますが、紹介いたします。
同意する事
とてもシンプルではありますが、相手の発言に明確な同意をする事です。「なるほど」「そうですね」
文章にすると非常に単調ですね。
ですが、実際にはこれらの言葉が積み重ねで意味を持つようになります。
動作の頷くにプラスしての言葉。
相手が自分の発言を聞いている、理解して、同意している。
これが相手の心に着実に響くまで永遠繰り返します。
同意には頷く事や上記した発言、他にも目線や、体の動きでも表現出来ます。
これらは組み合わせて使うのが最も効果的で、大胆な動きも良いです。
ただあまりオーバーリアクションし過ぎると、それが目的だと、相手に見られてしまいます。
相手に「同意しようとしている」事がバレると意味はありません。
同意するだけなら誰にでも出来るからです。
重要なのは、相手の発言を理解した上で、同意する事です。
ですので、同意した後に生まれる言葉は必ずその内容に準拠してなければなりません。
ここでコミュニケーションスキルの一つである「聞く事」がとても重要になってきます。
聞いた上で同意する。
とても簡単なことですが、相手の内容を聞いて同意するだけでは足りません。
理解し、同意し、更にその話を広げ、深め、相手を調子の乗らせていく必要があります。
それが後述する「褒める事」です。
褒める事
実はコミュニケーションにおける基本中の基本です。そして人を動かし、コントロールする、洗脳の奥義でもあります。
ま、そこらへんは今回抜きにして話しましょう。
あまり語りすぎると詐欺師のレッテルを貼られてしまいます。構いませんが。
褒める事というのはとても簡単です。
相手の話した内容、発言内容に対し、凄い、などの感嘆の意を表明すればいいのですから。
この程度が中々出来ない人がいますが、出来るだけで世界が変わります。
人は褒めて褒めて褒めまくりましょう。
じゃぁ、褒めまくればいいんだ。
という話になるんですが、実はそういうわけにもいきません。
褒める事はコミュの基本ですから、行う事自体は簡単です。
問題はそれを効果的に行えるかどうか、という話です。
褒める際に注意すべきポイントは相手が何を褒めて欲しいのかを察知する事です。
それは抑揚や、発言の間、表情、手の仕草や体の動きなどから察知出来ます。
逆を言えば、どうでもいい話をしているという時もわかります。
しかし人間は話すときに話したい事とどうでもいい事とが混じりあうので、あまり気にしない事です。
大事なのは相手が話したい、と思っている部分です。
この部分を掘り下げたり、広げたりする。
そして相手が勢いに乗って語りだす。その波に必ず乗る。同乗する。
荒波の中であろうが何だろうがしがみつき、最後の最後に
「凄いですね」
の一言を述べる。
正直これだけでも効果は絶大で、相手はより好意的になります。
するとまた話が広がり、深みを増すので、同じ事を繰り返します。
気がつくと誰にも話した事が無いようなことも話してくれるようになり、相手を解剖出来ます。
最終的に行き着く地点は……アレなので書きませんが。
お分かり頂けたと思いますが、褒める事は相手を調子に乗らせることです。
そして相手の話を引き出し、より深く相手を知るために行うのです。
モチベーションというものは、やる気、としても表現されますがそこまで単調ではありません。
モチベーションは感情に起因する気配の事で、相手の覇気です。
これを引き出す事が褒める事で、相手の覇気とは相手そのものでもあるわけです。
しかしこれに対して真っ向から覇気を出して対抗すると、戦いになります。
ここで褒めた後、更に相手を調子に乗らせるために「負ける事」が必要になります。
負ける事
お話したように、同意し、褒められると相手は調子に乗ります。どんどん饒舌になり、モチベーションが高まり、「地(自)」というものが出てきます。
しかし地が出れば出るほど、そこには羞恥の感情や、控えるという日本人的特性が出ます。
これを抑える事が確実に必要になってきます。
その方法が負ける事です。
どういう事かと言いますと、相手の発言に対して、こちらも同様の意見を出します。
もしくは「明らかな間違い」を自分から発言します。
すると相手はその発言に対して明確な意志を持って、撤回しようとしてきます。
当然ですね。自分が出ている以上、明らかな間違いを見過ごすわけにはいきませんから。
そこで素直に頷く事が、負ける事です。
これによって相手は、自分が自身をさらけ出すことが「重要な事」だと錯覚します。
一度錯覚させてしまえば後は楽なもので、まず覇気が消え去る事はありません。
自分の発言の重要性に気付く、即ち「酔わせる」わけですから、モチベーションは維持されます。
ただ思ってもいないことを発言して、相手からの評価が下がるのも微妙な話です。
ですのでもう一つの負け方、というものがあります。
効果は多少低くなりますが、こちらも繰り返しの積み重ねで十分効果的になります。
それは、相手の発言に対し「同意すると同時に負ける事」です。
つまり、なるほど、と頷きながら「その発想はなかったです」等と発言するわけです。
これは相手にしてみれば、自分の考えが相手に浸透し、征服したことになります。
ま、あくまで錯覚なんですけどね。
この場合、相手からの評価は下がりません。
むしろ、相手を認めたことに繋がり、相手からの評価は上がります。
ちなみにスポーツ漫画などで見られる、負けた相手との友情が芽生えるのはこれが原因です。
負ける事は悪ではなく、むしろ状況を鑑みて正しく使えば必殺の武器です。
必殺するのは相手の心ですが。
計画的に負ける相手、というのは結構厄介で心の奥底が見えません。
意外と身近に存在していると思いますので探してみて下さい。面白いですから。
さて、同意し、褒め、更に負ける、まできました。
続いては相手の門を広げる、側面を顕わにする事、です。
側面を顕わにする事
側面というのは、会話の節々に発生する「漏れ」の事です。相手が覇気を持って話すときは有無を言わせず、納得させる言葉の気があります。
ですのでついつい聞き逃してしまいがちになるのですが
相手が「そう考えるに至った原点」というものが必ずあります。
こちらはそれを知らないわけですから、前提条件にそれを以って話されると説得力に欠けます。
その違和感を感じ取り、そこを訪ねるわけです。
相手からしてみれば盲点なわけで、その原点を語ることは、これまた自分を語ることです。
よりモチベーションを高め、自分の覇気を高めてくれる事でしょう。
この側面ないし原点を常に確認しながら聞いていると、会話の内容はより濃くなります。
そしてこれは個人的主観ですが、この原点はその人そのものを形成する何かであることが多いです。
これがとても面白く、とても楽しい。
会話のキャッチボールにおける醍醐味でもあるので、やめられない部分です。
ただし、いきなり原点を覗き込むことは失礼にあたり、相手の覇気を損ないます。
わざわざ自分の秘密を喜んで暴露する人はいません。むしろそれは変人の気です。
つまりこの側面を顕わにするのは、相手が覇気を持っている時限定です。
決して焦って使うタイミングを間違わないように気をつけて下さい。
笑わせる事
さて、今回の放送で意識した事です。話が脱線しても笑わせる事を考えていたわけですが、当然理由があります。
実は上述した四つの手法は確かに相手を引き出すことに長けます。
その能力は十分なのですが、覇気というものは維持し続けることは出来ません。
更に言えばそれを維持するのにはとんでもないエネルギーを必要とします。
常にモチベーションが高い人が少ないのはそういった理由です。
ドラゴンボールの悟空もスーパーサイヤ人の状態を維持する事にかなりの時間を費やしました。
つまりモチベーション維持にはそれ相応の訓練も必要で、超人でもなければ常に、は不可能です。
ともすれば、モチベーションを高め引き出し続けるこれらの手法は相手を疲弊させます。
あまり会話が長引くと相手の力が尽きて、まともな会話も出来なくなります。
これでは本末転倒です。
更に言えば、折角楽しい会話をしたのにも関わらず、疲れが残ったのでは勿体無い。
ここでモチベーションを維持させつつも、気を緩める、という事が必要になってきます。
それが笑わせる事です。
笑っている相手は無防備になります。心の底から笑う時には、地を出しながらも疲れは出ません。
笑いには地が含まれるからこそ、人は笑いを求め、芸人はとても人気が出るわけです。
芸人が女優と結婚したり、女性にモテるのはこういう要素があるからです。
笑いの中には、相手を落ち着かせるという力もある為、会話の中では重要な要素になります。
覇気を出し続けるというのは相手に取っても負担ですから、それを落ち着かせるわけです。
それでいてモチベーションの低下には繋がりませんから、会話は続けやすい。
結果として会話の終わりには疲労感だけではない、充実感もあわせて得られるようになります。
これが今回、放送の際に取り入れようとした笑わせる事、です。
私の番組は全体的にガチトークなので、固くなりがちです。
それらを和らげる、という意味でも笑いという要素は外せない、と考えたのです。
これらは全て、相手を引き出す技術です。
詐欺師はここから更に、自分の望む方向へと相手をコントロールする技術を持っています。
基本的に本物の詐欺師からは逃げられません。
しかしそんな詐欺師が相手のことを考えて、良い方向へと進めようとする。
これがコーチングと呼ばれる技術だと、私は考えています。
教育と洗脳は紙一重、っていうか一緒なんですが、方向性が違うだけ、という話です。
また機会があれば引き出す、のその先。
営業手法的な、相手をコントロールする技術もお話しましょうかね。
それでは、また。
それ、すぐ見抜けますよ
相手もわかってて話してる場合も大いにありうると思いますよ
[…] […]