2011 | 10 21 |
経済力も権力も目的達成の為にある過程の一つ
先日、面白い話を聞きました。
「フリーランスも社長も一緒やんね」
というお話です。
端的に述べるならこうです。
「立場的に言えば、フリーランスも個人事業主なんだから一緒」
あまりにぶっ飛びすぎてて聞いた瞬間に、脳内に?が浮かびました。
が、全面的に意味不明というわけでもありません。
感覚的、直感的には言いたい事は伝わるからです。
しかし、それでも言葉として使うには不適切だと言わざるを得ません。
立場の違いで必要な物は変わらない
「立場的に言えば」というのが大きく間違っています。恐らくこの言葉にはマネジメントや管理者などの「立場」を意味したものでしょう。
残念ながら。
マネジメントが必要なのは、特定の誰かではなく、基本的には全員です。
私生活を守る為、仕事の安定を生む為、人生を成功させる為。
目的は様々なながら必ずそれを実行に移す為には、自身の管理が必須になります。
となればマネジメントスキルは誰に取っても必要なもので立場云々は関係ありません。
更に付け足しましょう。
スキルに関わらず、力というものは目的に沿って必要になるもの。
立場によって必要かどうかが変わるという考えは、意志がないのと同義です。
ディレクターだから○○が必要。社長だから○○が必要。社員だから○○が……。
というのは目的を見失った人形とそう大きな違いはありません。
立場もまた人として目的達成する為の一つの過程にしか過ぎません。
利用する為にこそ存在してはいても、利用される事、影響される事などナンセンス極まりない。
むしろ必要に応じて、その立場すら切り捨てる事もあるわけです。
フリーランスと社長の違いとは
一つ言いたいのは、フリーランスも社長も一緒。これは大きな勘違いである、という事。
私からすれば社長という立場とフリーランスという立場の大きな違いは
持っている力の差です。
権威としての力もそうですが、組織として力を持っている時点で、これまた大きく違う。
フリーランスとしていくら成長したところで、外界からの影響には逆らえず
また悪しき循環が襲おうとも、抗う事は出来ず呑まれるのみ。
しかし社長として、組織の長として力を持っていれば場合によっては対抗策を用意出来ます。
この差は大きく、何かを守る、何かを達成するにおいて大きな武器です。
人は基本的に環境要因や人的要因で容易く影響を受けます。
それは誰でも一緒で、無意識に行われる心の変化に抗うのは難しいです。
またそれを防ぐ為に塞ぎきってしまっても、成長が損なわれかえって悪影響が大きい。
つまり、自分が望む方向に勝手に影響を受けられる環境や人を集めなければなりません。
そうした環境作り、人作りというのもまた社長とフリーランスとではやりやすさが違います。
大切なのは人脈
USTでもお話しました。環境を作る、人を作るというのは基本的に全て、人脈のことです。
環境を生み出すのは自分を含めた周囲の人間です。
となれば、人脈を作っていれば自然と望む環境は手に入ります。
そしてこの人に関しては、経済力や権威とは違い、代えがきかないものです。
似たような人間はいますが、同じ人間は一人としていない。
だからこそ守るに値し、愛するに値するわけです。
保守的になるわけではなく、守る為に攻める。
積極的に行動する時、権力や経済力を使えれば力強い。
履き違え易い事ではありますが、立場はそれほど大きいものではありません。
時として鬱陶しくなるぐらいのものでしょう。
ならばそれを守る意味は薄く、真に目指すべきは目的。そして人。
常々忘れないようにしたいものですね。