2011 | 10 24 |
分業と適材適所
私はWeb業界に所属していると自負しています。
この業界はとても難しく、煩雑で、まだ出来立てほやほやの業界です。
様々な方向を模索しながら、色々な要素を取り入れて成長している。
結果として、総合的な能力を求められる事が多くなります。
生半可な能力では生きていけず、極端な能力でも生き残るのは難しい。
正直言って、厳しい業界である、と言えるでしょう。
会社自体も大企業と言えるものは少なく
現実的には大手企業のWeb事業部、開発室が「大手」と言えるものでしょう。
実際問題、この業界に長くいますが大手Web製作会社はあまり聞いたことがありません。
業界を牽引する存在がない
大手というものが存在しない、という事は目標とすべき会社が無いのと同じ。真似が出来ないわけですから、ビジネスの研究が出来ません。
それぞれ上手くやっているところはありますが、大成したところはあまりないでしょう。
それは様々なやり方がある、という敷居の低さ、やりやすさではあります。
が、同時に方向性がバラバラであり、混沌としている、という事でもあります。
業界全体が混沌としていると、依頼するクライアントにも
「よくわからない業界」
として認知されます。
これでは、信頼を得るにあたり、非常に不利です。
何をしているのかわからない業界、となっているわけですから。
本来は牽引する大手が、その存在をしらしめるわけです。
Webにはそれがない為、未だに業界全体が不思議ちゃんで、不明瞭なのです。
混沌とした世界で生き抜くために
整地された土地を歩くのは楽で、何をするにも勝手が良いです。しかしWebにあるのは泥沼。しかもぬめりが強く、整地するのは手間がかかります。
そこで、泥沼に適応した靴を履く、機械を使う、という手段があります。
これらは自力で用意する事で何とかならなくもないですが、力尽きると泥に呑まれます。
呑まれない為に、協力体制を設けるのは賢い選択でしょう。
一人は靴を用意し、一人は機械を使う、一人は整地を行う。など。
そしてそれぞれに出来る事を確実に行い、混沌に巻き込まれる事を阻止します。
他の業界でもそうですが、それぞれ得意分野というものが人にはあります。
それを活かして仕事をするわけですが、業界が疲弊すると人材を雇えなくなります。
結果的に総合的に能力の高い人だけが生き残るのですが、
その人達もこき使われるため、いずれは独立ないし辞めていきます。
結果として、会社の乱立を助成する事にも繋がり、また新たな業界疲弊になります。
もっとも簡単なのは業界全体の相場を引き上げる事。
そして人材を雇い、適材適所と分業が出来る敷居を作り上げる事です。
むしろこれをしなくては永遠に悪循環が繰り返され、どんどん悪化します。
負のスパイラルというやつですね。
しかし逆に相場が上がり、報酬が増えると余裕も生まれます。
それは投資に繋がり、チャレンジへと開花します。
良循環が生まれ、それが回った時、モデルとして参考にされるようになります。
大手への第一歩でもあり、混沌を抜け出す唯一の手法でもあります。
業界を生まれ変わらせる為に
適した金額で仕事を請け、適した内容で仕事を完結する。その為に、適した人材を適した場所へと配置し
適した人材に適した能力を身につけさせる。
適材適所と分業、そこから生まれる「最適化」です。
まずは安請け合い、サービスというものを辞め、自己損失を防ぎます。
これをするだけで大きな変化を感じ取れるはずです。
自社が損をする事、これを絶対避けるのがビジネスの基本です。
絶対に得をする、それだけを追い求めることで損失はある程度抑えられます。
しかし、そこで本質を見失い金を追い求める事は間違いです。
適する、という事こそに重点を置き、金への執着は捨てるべきです。
結果として金が生まれるわけで、金は副産物、副作用です。
仕事の報酬は仕事であり、それ以上もそれ以下もありません。
循環させる為の、最適化。
前線、現場で活動している人には胸に刻んで欲しいことです。