2011 08
03
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Webサイトのコンテンツ設計手順書

Webサイトの立ち上げに当たっては、様々な手順があります。
やり方は会社や個人それぞれで異なりますが、私のやり方を公表しておきます。
しかし、結構昔からのやり方なので今流にあってるのか、あんまり自信ありません。


というのも、まんまこの通りに作業させてくれた例が少なすぎるからです。
月額報酬に持っていこうとする、というのと、コンテンツ設計の為の投資が多いから、ですね。
最近の中小・零細にはそんなマネーもございません、という良い例かもしれません。

1.コア・コンピタンスとターゲットユーザーを確定する
Webサイトの設計に入る前に確実に確認しておくべき事は、その会社が持つ市場での優位性です。
正直なところ、これがない場合は市場に君臨するシェアを奪い合う戦いにおいて、圧倒的に不利です。


蛇足ですが、Web業界のおけるフリーランスが苦労をするのは、これがないから、とも言えますね。
腐るほどいるフリーランス達と仲良く手を結び合って、戦うには組織化しなくてはいけません。
それなしで仲良くするのなら、絶対にその他大勢に負けない自分だけの武器を持つことが必須です。


そしてもう一つは、武器が一緒であったとしてもターゲットユーザーが違う。これも重要です。
ターゲットが違うのならば、やり方も大きく変わってきます。


大切なのは、これらを自分たちで設定するわけではない、という事。
コア・コンピタンスは組織化、もしくは独立した段階から存在する「はず」のものです。
それに対して無自覚な場合、市場での争いにおいて負ける可能性が高い。
逆に、コア・コンピタンスがある程度確立されており、自覚していればターゲットユーザーも見えてくる、という事。


勿論、見えてこない場合もありますがその場合、ターゲットユーザーに関しては自由が利くとも言えますね。


私のクライアントの場合は自社のコアが明確で、立ち上がった瞬間から存在していました。
医療系の人材紹介業において社長が「医者」。つまり、現場をこれでもかというぐらい知っている。
それが強みで真似したくても真似出来ない、という自社の強みでした。


この場合、ターゲットユーザーに関してはある程度自由が利きます。
後はその肩書きを有効利用し、どの現場に対してアプローチできるのか、などもアピール出来れば良いですね。
現場の人間関係が嫌で辞める人はどの業界でも多いものですが、医療系は特に顕著で難しいものです。
なので、そういった部分を理解しアプローチしてくれる会社なんだ、とユーザーに思わせれば、勝ちです。


そして、そうさせる為にWebをどう設計するかが、ここで初めて確定します。


またこの時点でターゲットが使うであろう検索キーワードをグーグルアドワーズのキーワードツールなどで検索しておきます。
一体どれぐらいの需要があるのか、ターゲットはどんなキーワードを使うのか。
検索数はどれぐらいか、検索順位で一位、もしくは広告出稿した際にはどれぐらいコンバージョンを得られるのか。
そういったシミュレーションを外注業者からの意見も含めて、広く集めておきます。
理想を言えば、一度広告を出稿して、そのキーワードの検索数や閲覧数、需要を確認しておくのがベストです。

ターゲットユーザーとコアに合わせたサイト設計
第一に優先すべきは、ターゲットユーザー。
……ではなく、コアを意識したサイト設計です。


コアこそが、その会社を現すと言っても過言ではないので、情報量を制限する事でそれを色濃く表現します。
必要以上に語ってしまうと、かえって薄っぺらくなります。文章ばかりのコンテンツでは見る気も失せます。
なのでそのコアを表現する為にデザインをします。


本来、デザインには「何となく格好よいから」は通用せず「○○する事で○○を表現している」という前提が必要です。
設計とはそういうものです。なまじ、ビジネスであれば当然でしょう。
ただ、このときにはサイトの細かいデザインよりも前にやるべきことがあります。


それはコンテンツ設計です。
Webを構築するにあたって、コアの表現は大切ですが、それとは別個にターゲットにするユーザーが求める情報を各ページにテーマとして持つ必要性があります。
コア・コンピタンスはWeb全体のテーマ、各ページには各ページのテーマが必要、という事です。


先ほどの場合、医者が社長をやっている、というアピールを何処かでする。
となれば当然トップです。Flashなどを用いてアピールしてもいいかもしれません。
導線設計として、そこから社長の経歴のページなどに飛ばしてもいいでしょう。
顔写真つきで信頼性を高め、社長メッセージでぐっとくる一言をライターに書いてもらえれば、インパクトはあります。


続いてユーザーが欲しがるのは、そんな社長が運営する人材紹介のサービスです。
トップページから、リンクしやすいように運営サービス一覧のページを用意します。
勿論、ヘッダーにリンクを設置する、フッターからも飛べるなどのようにユーザビリティを優先します。
社長挨拶のページからも一回のクリックでいけるのがベストでしょうね。


そして運営するサービスごとの説明用ページ。
リンクを張り、これまたそのサービスごとの強みを公開することで導線を繋ぎます。
そしてサービスのトップページにもまた、導線を繋げるための仕組みを用意して。


……といった具合で、コアを起点としたコンテンツの設計を行います。
ただそのWeb自体が持つ役割はそれだけではない場合も多いので、クライアントの要望に答える形でそれも実現させます。
例えば、コアには直接関係がなくても重要な「株主向け情報」などです。
決算情報なども掲載するとなれば、コンテンツは更に煩雑でややこしくなります。


ここで大事なのは、コンテンツを設計するコアを元に、ターゲットユーザーの動きも想定する事です。
ただ、実際のところはコアという強みが、ターゲットに対してのアピールでもあるので、コアを起点に設計するとターゲットユーザーに合わせたサイトコンテンツになります。

色彩のデザイン、コンテンツの配置
やっとWebサイトの構築っぽくなってきましたが、この段階になって初めてWebデザインをしていきます。
まずはコンテンツ設計にあわせた、コンテンツの配置。
当然これらはターゲットユーザーの動き、検索リテラシー、Webのリテラシーに沿った形で考えます。
検索慣れしてない年配の方をターゲットにする場合は、文字を大きく、クリックしやすく、など。
また色弱の方も想定して、色合いを調整する必要なども場合によっては必要です。


Webリテラシーが高い場合は、見慣れたデザインでない場合直帰する可能性も出てきます。
そういう意味でも、ありふれたデザインを求められる事が往々にしてあります。
ただ同時にほんの少しのアクセントでユーザーの目線を誘導できるので、そこも視野に入れます。


色に関しては、会社のロゴに合わせるのがベスト、かもしれませんが、ロゴ自体を何も考えずに作っている場合があります。
場合によってはロゴごと作り直した方が、良い場合もあります。
許可を取り、ロゴの色変更やロゴ自体の変更も視野に入れておきましょう。
コアとターゲットにあわせた色彩を用意しましょう。色によって与える印象は非常に大切ですので。
色は先入観にも近しいので、間違った配色は間違った印象を与えます。
相手にどんな印象を与えたいのかによって、色も選びます。色が持つ先入観は色彩心理学を参考にすれば見えてきます。


コンテンツ配置においては、ユーザーの導線も考えて誘導するようにします。
目立たせたいものは目立たせる。目立たせたくないものは目立たせない。
この基本を踏襲するだけでも、おおよその誘導は出来るはずです。
また何でもかんでも詰め込まない事。これは各ページに1テーマと決めた時点で制限できるはずです。
そしてこの1テーマは検索する際のキーワードと合致しているのが、理想です。

SEO設計、マーケティング戦略
Webが形として仕上がったなら、この手順に沿っていればある程度内部に関しては最適化できているはずです。
必要な事をただ必要な部分に当てはめて、設計しているだけなので。
タグも当然そういった使い方を元に利用されている、としています。


しかしSEO自体、それで完結するのか、と言えばNoです。
内部はやって当たり前のラインで、これでやっとスタート地点です。
ここからどうやって外部からのナチュラルリンクを集めるか、という戦略が必要になってきます。


何もしなくてもコンテンツ重視で上がってくる、まぁ、それは一理あります。
が、そこまでGoogleを当てにするのも企業としてどうかと思いますので、こちらからも動きます。
現状外部からのリンクが強さを持っているのは当然なので、優良なSEO業者に外注するのがベストでしょう。


ただのWebサービスや、趣味のサイトなら自力で頑張れば、良いです。
しかしビジネスとしてWebサービスを立ち上げ、コンテンツ設計までしてるのならコスト的な意味での時間との戦いも生まれます。
となれば早いに越した事はなく、そういった戦略的な部分でもコンサルをしてくれるSEO業者にお願いするのが良いでしょう。
リンクリソースとしてだけではなく、共同戦線を張っていくビジネスパートナーとして。

メンテナンス、軌道修正
丁寧に設計したから、といってそれが完璧に機能する。
そんな甘い世界ではありません。情報は常に錯綜し、常に流行が切り替わる。
ちょこまかとサイト構築している間に、乗り遅れる場合も当然ありえます。
しかし作っている最中にあれもこれも、ではいつまで経っても終わりません。


なので、一度作り上げてしまい、後々にコンテンツの修正や軌道修正を行う。
タグの見直し、SEO的な意味での修正や追加。
Webは一度立ち上げたが最後、常に戦いの日々です。
それこそ24時間365日戦ってくれます。最強の営業マンです。


どう育てるかは企業次第、その育てる役目を担うのがコンサルタントやWeb担当者です。
そしてWebを育て上げる事は、それ即ち企業のブランディングにも繋がります。
というか、ブランディングなくしてWeb経由の売上アップは見込めません。


ブランディングははっきり言って、このメンテナンスの項目に入れてるぐらい地味な作業の積み重ねです。
一つ一つの積み重ねこそが、ブランドになるからです。
そしてそのブランドの根底にはコア・コンピタンスがあります。


コアを元に、育て上げる。
これがブランディング。今になって、注目され始めていますね。個人ブランディング、とか。



育てるのが作って、はい終わり、になるでしょうか?
いやいや、ずっと向き合っていくのがWebです。
そしてコンテンツやWebの設計までを行った人は、そのWebが死ぬまで付き合わねばなりません。
一人歩きする事はありませんので、抜ける時は誰かに委託した時だけです。


だから私はWeb製作においては、月額費用を要求しますし、納得頂けない会社とは取引しません。
単発で請ける場合もありますが、長続きしないだろうという期待を込めずに仕事はしています。


人によってビジネスのやり方は様々です。
ただ、継続的なメンテナンスなしにWebを製作してはい終わり、をしている方々はWebで何をしようとしているのでしょうか。
それは結果的にWebによる売上が見込めず、ビジネスチャンスを無駄にしてしまったクライアントからすれば、今後Webを利用したくないという想いは当然じゃないでしょうか。
それが広まって、結果的にWebが舐められ安請け合い当たり前、となって悪循環を生み出しているのでは?


悪循環を生み出すクライアント、フリーランス、会社なんて滅べばいい。
良い会社、良い業者を残すにはそういった会社がなくなっていくこともまた、正しい。
市場は競争です。馴れ合いじゃありません。
であればこそ、この広いように見えるWebすらも狭くて狭くてたまらん。現実とそう変わらないんですから。


Webはマーケティングツールの一つでしかない。
そういう捉え方を出来れば、もうちょっとWebの見方も変わってくるのではないかと。
まずはビジネスモデルの確立、そしてそのモデルを下に業界を引っ張っていく組織がそろそろ必要じゃないかなぁ、と思う頃です。

英雄は世が寂れたときにこそ現れる、と言いますからね。
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